戦争は終わった。地球は救われたが、勝利感は重く錆びついていた。太陽の民の通告は、鏡のように我々の生活を映し出す。俺は便利な生活が、どれだけ自分を鈍らせていたかを思い知る。答えは見つからない。だが小さな一歩は自分の変化から始まる。俺は即座にオフラインの時間を増やし、記憶の複製に頼らない一日を選んだ。古びた自転車で風を受け、燃える太陽をただ見る時間。便利さを脱ぐことは苦いが、皮膚で感じる世界は確かに戻ってくる。未来を変える大きな解は出ないが、個々が変われば星も変わるかもしれない──と、俺は信じてみる。
